[成人式の振袖] 振袖の歴史 振袖はいつから着ているの?

2023年04月27日
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きもの蔵人みやもと 半田賢祐


 

成人式と振袖の歴史

 

第一章

振袖の歴史


振袖は男女共に子供の着物


 

振袖が出現するのは、15世紀中頃です。

その頃は男女共に、少年期に振袖を着ていました。

振袖とは、袖の振り(袖付けから袖下まで空いた部分)

がある着物の事で、この振りが子供の印でした。

それは、子供は体温が高いため、その熱気を発散

させるように袖の振りが付くようになったからです。

最初の頃は、すべての子供が振袖を着ていたわけではなく、

16世紀中頃に描かれた絵画では、着ていない子もいます。

この頃はまだ、裕福であったり神仏にかかわりのある一握りの子に限られていたようです。

ところが17世紀初期になると、都市部では一般化して、

日常着として着られるようになりました。

そのことは、絵画の洛中洛外図からも分かります。

ただこの頃の振袖は今と違い、

デザインによる男女の区別が分かりづらく、

振袖にはさしたる違いがみられません。

 


 

寺子屋の男女区別が着物の柄に影響


 

18世紀以降になって、ようやく男女の区別がつけやすくなります。

男の子には、武具や物語の模様が使われることが多くなり、

一方、女の子には花鳥をモチーフにしたものが増えました。

これは、享保期に男女区別をする寺子屋が激増した為と言われます。

この頃の寺子屋は、少年専門や少女専門と二分することが多く

教訓書も男子用から女子用に書き直した物が多数出回りました。

子供を男女で区別する意識が強くなった事が、

振袖のデザインにも影響をもたらしたという事です。

 


 

江戸時代に袖が長くなり、未婚女性の証明となる


 

江戸時代になると、振袖の袖の部分が長く作られるようになりました。

これには所説ありますが、

江戸時代に娘に舞踊を習わせる習慣が広まり

踊りの所作を美しく見せる為、

長い袖が普及したという説もあります。

この頃に振袖は、正式に未婚女性の衣装となりました。

未婚女性の身分を証明するものとしても用いられるようになり、関所を通る際には振袖の着用を義務づけられました。

その為、関所の近くには振袖の貸衣裳屋が必ずあったそうです。

しかし、長い袖は普段の生活には不便な為、日常生活では

着ることがなくなり、特別な日の装いとなっていきました。

昭和に入ると振袖は、未婚女性が着用する格の高い礼装となりました。

そして現在の「二十歳の集い」のお祝でも

第一礼装として、振袖を着るようになったようです。


 

きもの蔵人みやもと 半田賢祐


 

 

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